【興味深い】インドに古着屋さんがない理由が、合理的なような切ないような社会構造のような

インド
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インドに古着屋さんがない理由を調べようと思ったきっかけ

セカンドハンドが故に、格安で購入できる「古着屋さん」。古着に抵抗がなく、気に入ったものがあれば使わない手はないですよね。

デッドストックに会えたり、すでに使われた古着は「こなれ感」がでたり、ハマる人はハマっちゃいますよね!

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私も古着大好き勢です!古着やアンティークが好きすぎて、これまで33ヶ国ほど訪れましたが、リスボンやバルセロナ、ローマ、ニューヨークやトロントの蚤の市やフリーマーケット・古着屋さんを見つけるたびに訪れました!

そんな古着屋さん大好き人間の私ですが、ふと「そういえばインドにはなんで古着屋さんがないんだろう…?」と疑問に思いました。

気になったので、SNSを駆使して「インドに古着屋さんがないのは何故?」という質問をインドの方に投げかけてみたところ、約25名のインド人が回答してくれました。

その回答が「ただ古着屋の需要がない」等のシンプルな理由ではなく、思ったよりはるかに興味深かったのです。

その結果を、こちらの記事でまとめていきたいと思います!

何故インドに古着屋さんはないのか

着られなくなるまで、修理して着るから

インドに古着屋さんがない理由の1つ、それは服の修理が手軽にできるためです。

インドでは、ローカルマーケットに行くと必ずと言いても過言ではないほど、ミシンおじさんがいらっしゃいます。

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インドの方は体系もかなりバラバラで、普段着も既製品のまま着ることは少なく、お直しをするのが当たり前。ミシンおじさんはインドでマストな存在です。

日本だとお直しをするのに最低でも3,000円程掛かってしまうことも多く、お直しをするくらいなら新しく買おう、という発想になりますよね。

しかし、インドではミシンおじさんが、ボタンのつけ直しやほつれの直しをする程度の簡単なお直しであれば、100円とかで済んでしまうのです。

そうなると、お直しをして本当の寿命を迎えるまで着ることができるので、古着屋さんに売るまでもないのです。

インドでは日本ほどトレンドファッション重視しないから

こちらは日本に居住経験のあるインドの方から頂いたご意見です。

「日本では良い品質のものを購入したとしても、長く着ることを目的として購入していないですよね。トレンドファッションとして購入して、まだ着られる状態だったとしても不要になって、手放す場合がありますよね」

「そこで活躍するのが、古着屋さんです」

「インドでは、日本と比較するとそこまでトレンドファッションを追わないスタイルなので、古着屋さんがない1つの理由かもしれません」

これは個人的な感覚ですが、日本人はとってもお洒落で、雑誌で紹介されるトレンドの色や柄等を取り入れたファッションスタイルの方も多く見受けます。

インドの方もとってもお洒落ですが、そのお洒落のベクトルが違う。
若者でもカラフルな色を美しく合わせた、サリーやクルタ等の民族衣装を着こなしているのです。

民族衣装を普段から纏う人が多いため、洋服のトレンドの影響は限られており、買い替えを行う人が限られることも、インドに古着屋さんがない理由の1つです。

インドでは着なくなった服は古着屋に売るまでもなく、身近な人にあげて完結するから

トレンドに限らず、子供の成長や体形が変わった時の服はどうするか—。

そういった服は、身近な人にあげる、というのがインドのソリューションです。

インドは拡大家族で生活しており、親戚も近隣に住んでいるケースが多い。そうなると、不要になった服は親族内で交換したりします。

貰い手がいなかった場合でも、そういった服は身近なメイドさんにあげたりするので、インドでは服を古着屋さんに売りに行くまでもなく、身近な人に渡すことで完結するのです。

インドに古着屋さんがない理由は、カースト制度によるものだった?

回答してくれたインドの方のメッセージの中には、このようなものもありました。

「カースト制度の影響です。誰が着たか分からない古着は、インドではなかなか受け入れられないという見方もあります」。

また、経済的に余裕がある人は、経済的に恵まれない人に施すべきと考えている人も多く、不要な服は寄付したいと考えている人も多いため、インドでは古着屋さんがないのではないかという考察も寄せられました。

インドには古着屋さんはないのに、何故古本屋は沢山あって受け入れらるの?

インドで古着屋さんがないのは、カルチャーによるものということが分かりました。

得に4つ目のカースト制度の影響により、古着屋さんがあったとしても購入する人がいない可能性があることも分かりました。

ただ、回答の中には「古本屋は沢山あるよ!!!」というメッセージをたくさんもらったのです

ここでふと、私は疑問に思いました。

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もしカースト制度の関係で「誰が使用したか分からないものを購入したくない」という人が一定数するとしたら、何で古本はOKなのだろう…?

これは回答数が1のため、その方の意見ではあります。このように言っていました。

「カースト制度によって、自分よりカーストが下の人が使用したものを手に取りたくない人というがいる。これが、インドでは古着屋さんが受け入れられない大きなの理由の1つです。」

「本に関しては、ローカーストの人は教育を受けられないという歴史がありました。」

「そのため、カースト制度を理由に古着は嫌、と考えている人は、本は低カーストの人の手に届くことはないと考えているので、古本を買うことには抵抗を覚えない。」

インドでは古着屋さんはあんまりだけど、古本屋はOK?では家具は?

インドでは、古着屋さんはなくても家具は近年、売り買いされるようになってきました。

マーケットだけではなく、OLXやQUIKR、Meeshoというフリマサイトが使われますが、数名から「あまり状態がよくないことがあったりするから、使用するときは気を付けてね!」と忠告を頂きました。

こういった家具は経済的負担を懸念する方や、学生さん等によって使用されているとのことです。

インドに古着屋さんは、「全くない」訳ではない

インドは古着屋さんが受入られにくいマーケットなことが分かりましたが、全くないわけではありません。

というのも、環境問題に感心のある人々によって、少しずつではありますが古着ビジネスを展開しているブランドも。

まとめ

ふと思いついた「なんでインドに古着屋さんがないんだろう…?」という疑問から、このような記事を書くに至りました!

文化的なことを考えれば当然の内容かもしれませんが、「古着屋さん」というフィルターを通して改めてインドについて考える、良いきっかけになりました!

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